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2025/07/17

みちのくの風吹き抜けて夏座敷



                                (芭蕉記念館)


 尾花沢に立ち寄ったことがある。


 役場へ行って尋ねたら、近くに芭蕉記念館があると、いかにも東北の娘らしい可

愛い女子職員が丁寧に教えてくれた。記念館は町中にあったが誰もいなくて静かに

佇んでいた。この場所に紅花の豪商、鈴木清風の店があったらしい。

 

 芭蕉は清風のところで10泊もしたという。よほど行き届いたもてなしだったに違

いない。「涼しさをわが宿にしてねまるなり(芭蕉)」。一方、清風という人は剛毅

な気性の人だったらしい。そのエピソードが尾花沢市のwebサイトに載っている。



 そのエピソードの概略を記載。「清風は江戸に大量の紅花を持ち込んだが、江戸

商人が意地悪な不買同盟に及んだ。ならばと大量の紅花焼き捨てたように見せか

け、値が上がってから売りさばいて大儲けをした」という。


 大層気骨のある商人であったらしい。一方で芭蕉に対しては、行き届いたもてな

しで応じ、おそらく細かい心配りに徹しただろうと思われる。豪胆でありながら優

しい心配りができる人、というイメージが湧いてくる。



 東北人にはこのような気性が備わっているのだろうか。ことに望んでわあわあ大

きな声は出さないけれど、やるべきことはきちんとやって始末をつけてしまう、と

いうような気性を、大なり小なり皆持っているのだろうか。


 大谷翔平の活躍を見ていると、どうもそういう気がして仕方がない。あれほどの

大スターでありながら、それを誇示するような姿が微塵もないし、どんなに周りに

騒がれようと、静かに自分のやるべきことに専念していて騒がない。


 静かで落ち着いた尾花沢の街並みを見ていて、そんなことを思った。




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