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2025/10/18

ゆかしさや陽に照り映える式部の実

 



 ムラサキシキブの実はきれいだと思う。


 花もきれいらしいけれど、なにしろ小さい、それだからあまり目立たない。それゆえに、し

げしげと見たことがない、が、10月ともなれば、きれいな紫色に染まった実が、オラオラ、と

葉っぱの表に顔を出し、大いなる自己主張を展開してくる。


 この木(落葉低木であるらしい)は、山道などではあまり見かけないが、家の近く、民家

のあるところでしばしば見かける。見かければどうしたって、まあ一枚、とそそくさと撮影し

にかかる。もう何回も写したんだから、よせばいいのにと思いながら、また映す。



 なんと言っても紫の色合いが深沈と沈んでいるようで、それでいて陽ざしに浮き上がっ

てくるようで、まあなんとも言えない色だ。見ようによっては、小さな小さな宝石のようで

あり、アメシストの輝きさえ感じられるほど。(アメジストを実際に見たことないけど・・・)


 紫色は、仄聞するところ、古代のやんごとなき御方に限ったものだという。だからエライ

と思うのではなく、色そのものがきれいなのだ。名前がまた、ムラサキシキブなんていう古

代王朝の女性の名と同じだから、イヤ増してやんごとなさを醸し出しているかも。



 これに限った話ではないが、自然が作った形や色合いは、どう人間が頑張ってみても追

っつかない。だからこそ、花を愛で、宝石に憧れるのだろうけれど、月にロケットは飛ばせ

ても、自然が創ったものを何一つ創れないのだから、あんまり威張れたものじゃない。


 それだから、まあなるべく謙虚にしていたいと思う。しかしあんまり謙虚正直イッテバリ

だと、金儲けサギの餌食されないとも限らない。謙虚であってしかも油断なく。これはこれ

でなかなか難しい難儀な業だ。この世に生きてい行くのは、これで案外難しい。




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