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2026/01/11

夜寒し氷下魚炙って独り酒

 



 遠い雪国の寒さを想ってみる。


 雪がしんしんと積もるだけではない、時としてひょう~~っと風が巻いて吹雪になる。そ

ういう夜はいかんともし難く、ただ寂寥感に包まれて、背を丸めて閉じこもるしかテがな

い。そんなときに、干した氷下魚の硬く凍ったようなやつを炭火でゆっくりと炙る。


 炙った氷下魚の少し柔らかくなったのを、手で毟って口に入れると、上品で淡白な氷の

味がする。思いやる北国の凍てついた湖は、どこまでも寒く冷たく想像するだけで身震い

が出そうだ。燗酒が体中を経巡っていく途中、目のあたりでポロリとこぼれた。



 氷点下10度くらいならばひょっとして体験したかもしれない、が、マイナス30数度となる

とこれはもう、想像の埒外に出てしまう。それも、ほんの一時ではなく、日常茶飯事ともな

ればどう想像していいかわからない。想像だけなら猿でもできるのにナア。


 「どたん場検索」によれば、最低気温は南極のソ連基地の-89.2℃だそうだ。人間が日

常生活している場所では、オイミャンコ((ロシア)-67.7℃といっている。つくづくと、人

間という動物はなんとまあ、とんでもないところに住み着いていることかと思う。



 個人的な体験の示すところでは、一番ここちよく過ごせるのはどうも18℃~23℃の間

くらいであるようだ。それ以上となれば、次々に着ているものを脱ぎ去っていかねばなら

ない。またそれ以下になると、今度は次々へと服を重ねなくてはならない。


 服を着たり脱いだりしても、もはやどうにもならん、という閾値を越えれば当然あとは機

械の出番となる。夏は扇風機(まだ使っているのだ)、そしてクーラー。冬の今の時期は、

炬燵(まだ使っているのだ)、ストーブ、時としてエアコン。これらに助けられている。


 人間は気温に対して強いのか脆弱なのか分からなくなった!




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