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2025/10/30

先がけて花水木の葉紅葉す

 



 花水木の葉が赤く染まってきた。


 ほかの木々がまだ真緑だというのに、そんなことは知ったこちゃなく唯我独尊、堂々と紅

葉して憚らない。エライもんである。桜は薄茶色になって散ってゆくが、この葉っぱは鮮や

かな赤色を陽に照らして、どうだ! とばかり威張っているんである。


 よくよく見れば、案に相違して、この紅葉はなかなかにきれいである。なんでもそうだ

が、よくよく見る、というのが大事である。ぼわっとただ目に映しているだけでなく、じっく

りとよ~く見る、これが大切なんだが、いつもちらっと見て、それで見た気になっている。



 それではモノを見たことにならない、見るという言ことは、観察することである。観察すれ

ば、いろいろなものの本質が見えてくるのだ、と他人に教えられるのだが、これができそう

で案外できないから、いつもチラ見はいかん、観察だ、言い聞かせねばならない。


 そのように考えると、今までこの永いながい年月、なあ~んにも見てこなかったような気

がする。なんだってかんだって、ちょっと見ただけで、ハイ、次行こう、という気持ちになっ

てしまい、次から次、目の端に引っ掛けただけで過ごしてきてしまった。

 


 例えば、起きている以上何かしらを眼にして見ている。そのすべてをジイ~っと見る、つ

まり観察する、というわけにはいかない。そんなことをすれば、安物の脳みそにたちまちヒ

ビが入って、大爆発を起こしてしまう。そういうことはまずできない。


 となれば、一点集中、なにかを選んでじっくりと見る、観察する、というテしかないと思う

が、この選ぶ、というのがまた難しい。なにが重要で、なにが重要でないのか、それが分か

らない。分からなければ選びようがないから、すべてはチラ見となってしまう。


 じつに困ったもんである。




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