信州松本市のあたりで周りを見回すと、息を呑む光景が広がる。
地上は冬ざれた寂しい眺めだが、ふと上空に眼を向けると、遥かな蒼穹に真っ白な雪が
テキレキと輝いている。雪の峰が、とんでもない高みに浮かんでいる。こういう光景は普
段目にしないから、なんだか神々しいような気分が沸き上がってくる。
松本のあたりに住んでいれば、冬と春にはこういう景色が毎日展開するのだろうと思
う。冬には日ごとに白さを増す峰々、春には麓から緑が増す風景、これをタダで目にす
ることができる。羨ましい限りだが、毎日その景色に息を呑んでいては呼吸が苦しい。
信州はいたるところ絶景の宝庫のような気がする。松本安曇野は山と川の美しさ、姥捨
てから見る善光寺平の水田の光景はひとしお。上田小諸は水と里の織りなす美しさ。佐
久平は浅間山の眺め。高遠は風の涼しさ。木曾街道は今に残る宿場のなつかしさ。
信州がもう少し近ければなあ、と思う。日帰り旅行と言うのがちと無理であり、どうして
も泊りを考えねばならず、予約だとかなんだとか、ともかくめんどくさい、が前面に出てし
まう。好きな時にひょいっと行って帰って来る、という事が気軽にできないから困る。
今後もなおもって信州に行ってみたいと思っているが、なにしろ人気観光地であるだろ
うから、できれば人があまり行かない時期に、人があまり行かない場所に行きたい。世の
中そんな都合のいいことばかり行くもんか! (怒!)・・・だよなあ!
もし都合よく行くならば、塩の道と呼ばれる千国街道や、白馬青鬼の古い建物群など
を、日がなぶらぶら歩きながら巡ってみたいな、とこれは一つの夢物語。夢を持つのは大
切、ひょっとしてもしかすると、夢が現実になったりする。油断してはいけない!