寝床から見る空が、群青に染まって深い色をしている。
耳を澄ましてみると、ふだんは重層低音のように唸っている街音が消えて、しんとしてい
る。さすがに正月二日ともなると、初詣に出かける人のささやき声も聞こえなくなった。世
の中が一斉に活動を停止したように、閑として静まり返って、小鳥さえ鳴かない。
起き出して階下に行き、コーヒーメーカーに粉と水をセットする。湯が沸き始め、安コー
ヒーだけれど、微かな香りが漂ってくる。ガスストーブを点けて、雨戸を開ける。きらきらと
飛び跳ねるような朝の陽ざしが眩しい。部屋の温度が14℃になって、暖かい。
「さて…と」、コーヒーを啜りながら考える。今日はなにをしようか、しなければならないこ
とは、とりあえず…なにもない。だから好き勝手なことをすればそれでいいのだが、はて…
それはなんだろう。毎日好き勝手なことをしているはずだが、なんだったか記憶にない。
とりあえずトーストをかじって朝飯を済ませ、また二階に戻ってとりあえずパソコンを開
く。が、何をするという計画もないから、なんとなくネットをさ迷い歩く。世の中に大事件は
起きていないらしく、昨日と一昨日と同じようなものがパソコンに映し出されている。
その中で、3人の年子の園児を持つ、働くお母さんのブログを読んだ。早朝から家事を
こなしつつ3人の面倒を見、大急ぎで勤めに行くといういそがしい日常を送っているらし
い。この人はときおり3時ごろ起きて(まだ夜中だ! )自分だけの時間を作るという。
一人起き出したら、風呂掃除を兼ねて朝シャンをする。気分がシャキッとすると言う。そ
れから自分のノートを書き込む。内容は、やろうとしてできなかったこと、とその原因を書
き込むのだそうだ。その上で何をどうしようかとまた改めて計画を立てる。
それから自分のための柔軟体操をして、体をほぐし、洗濯ものを洗濯機に入れている
と、そろそろ子どもたち3人が起き出してくる。そうなると着替えさせ、顔を洗わせるために
3人を追いまくり、その合間を縫って朝ご飯の準備、いやはや忙しい忙しい!
この若いお母さんは、きちんと計画された素晴らしい人生を送るのだろう思った。