(不知海ではありません)
不知火の火はどんなものなのだろうか。
無論のこと、肉眼でも映像でもついぞ見たことがない。どうも怪しの光りらしいから、オ
ラしらねい、などと言うのかもしれない。この怪しの灯が見られたのは(近年はトント現れ
ないらしいが、)八代海だという。長い日本の海岸で、ここ一か所だけというのも不思議だ。
この火はいったいどんな風に見えるものなんだろか。蛍のようにほんわかした光なのだろ
うか、それとも光学的なちかちかしたものなのだろうか、見た人が少ないらしいが、一説で
は沖合の漁火の如し、とあるようだ。ならば蛍式のほんわかなんだろう。
この光の謎を解くべく、地元の高校生が何年も観察したが、ついぞこの光は現れなかった
らしい。それで仕方なく、実験で再現してみたら、なんとまあ、不知火が現れたという。そ
れによれば、不知火は沖の明かりの蜃気楼現象であろうという結論になったようだ。
八代海は列島でも例のない閉ざされた海であるらしい。深く湾入して入江はリアス式海岸
となり、後背地の山から無数の水が湧き出して海に注ぎ、温められた海水と下層の冷たい水
とが、なんでも、どうとかこうとかして、そしてこの現象が起こる、らしいのである。
不知火海(八代海)の現象を、実験装置を工夫して再現し、遂にはその現象を突き止めた
高校生はエライ! と思う。何年も観測して、それで見られなければ、や~めた、と言って投
げ出してしまいそうだが、そこで諦めなかったのがエライ!!
ひょっとすると、ヒトは分からないことは、なにがなんでも分かるようにする、という動
物なのかもしれない。ヒトがそういうタチだから科学が進歩し発展してきたに違いない。分
からないことがあれば、無理無体でも分かるようにする。それがヒトなのかな。
おかげで、夢想、妄想は萎んでゆく!