山肌全部が紅葉に燃えている。
全山錦織り成す、という感じで思わず目を剥いてしまう。これが自然の山というものな
んだろうナア、いま住んでいる地域はとてもじゃないが、こんな按配にはならない。なにし
ろ杉や檜ばっかりで、鬱蒼と、黒々として秋を迎えているから、見るべきものはない。
紅葉はやはり北国のものではないかと思う。ことに北海道ならば、赤や黄がことのほか
冴えて美しく、なおかつ雄大な景色が広がるらしい(なにしろ実際の景色を見たことがな
いのだから、悔しい! )。写真で見てさえ、なにしろ気宇壮大な気分になる。
東北地方だってユメ侮るなかれ、その宏壮さにおいて北海道にちょっと及ばないかもし
れないが、なにしろ重なりあう山肌すべてが赤や黄や緑に覆われて、柔らかな穏やかな陽
ざしをきらきらと照り返す景観は、これはもう何とも言いようがないくらいだ。
おい、おい、京都を忘れちゃいませんか? 忘れているわけではないけれど、あれはなん
というか、人の手で造り出された景観のように思う。それはそれで見事なのだろうが、や
はりなんと言っても、自然が作り出す眺めに勝るものはないようだ。
北海道はもう初雪だとテレビが言っていた。とすると錦織り成す壮大な眺望も雪に枯れ
てしまうのだろうか? ほんとに紅葉の時期は短い。一週間もすればすべてが茶褐色に変
わってたちまち灰色の冬景色なってしまう。雪の景観もまたそれはそれだろうけれど・・・
このところ、こっちも、うんと寒い。大慌てに慌てて冬の衣服を引っ張り出し、足温器さえ
持ってきて電源を入れた。このまま冬に突入だとすれば、なんとまあ、秋はあっという間だ
ったろうか。怖れているように、春と秋がぐっと縮んで、夏と冬ばっかりになっちまうのか。
さあ、寒さに向けて一丁気合を入れるか。