小さい一年坊主が入学してくる。
まるでランドセルが歩いてくるようだが、その前には胸をそらし、肩を怒らせた新入生
が、威風堂々歩いている。帽子も、制服も靴も、何もかもぶかぶかだが、これは仕方がな
い。「直ぐ大きくなって着られなくなるんだから、もう‼ 」とお母さんが嘆息する。
堂々と入学したのはいいけれど、何もかも初めてのことで、何をどうすればいいのかさ
っぱりわからない。若い、優しい、女先生の言う通り、くっ付いているしかテがないのだけ
れど、先生は慣れたもので、できる子できない子、愚図る子泣く子、み~んなひっくるめて
実にうまい具合に面倒見てくれる。今から思えば天使のような存在だったなァ。
小学校で6年間育つと、もうがらりと変わってしまう。もう一年坊主のチビの俤は微塵も
なくなってにゅろにょろと背丈が伸び、考え方も行動も半分は大人になってしまう。そうし
て、お父さん、お母さん、そこから離れてしまって、何を考えているのかわからない。
特に女の子は、卒業するころには羽化して一丁前の娘になってしまうだ。精神がしっとり
と落ち着いてきて、もう飛んだり跳ねたりをあまりしなくなる。大人を見る目もなにやら大
人びてくる。このままもう旅立ちの時かもしれない、二度と再び戻らない大人への旅。
一年坊主はちっちゃい、と言ったけれど、この頃は日本人の体格がごろりと変わったらし
く、一年坊主必ずしもちっちゃくないかもしれない。ランドセルばかりが目立った入学式は
昔年の俤ばかりかもしれない。それはもう、電車に乗れば一目瞭然、周りが壁だらけだ。
大谷翔平さんは、あのデカイ外国人の中でも一つ頭抜けている。大いに誇りに思う。今
はそこら中に180cmの男がごろごろしている印象だし、170cmの女子がわらわらしてい
る。その谷間に挟まって少々息苦しいが、もう日本人を「倭」なんぞと言わせないぞ。