まるで春の陽気になると聞いて川っぷちを歩いてみた。
河川敷の草野球場で少年たちが走り回っている。どの子ももう半袖で、未だダウンなど
着ているこっちがなんだか恥ずかしい。河川敷は広々と枯芝が広がって、向こうでもこっ
ちでも少年野球が真っ盛り、何れも真剣そのものの表情。ダウンを脱いで暫し見学。
河川敷の地面の一角が、日当たりがいいのだろうか、緑が芽生えて犬ふぐりが群生して
いる。この青く輝く花を見ると、いつもながら大宇宙に広がる無数の銀河のように見えて
仕方がない。暗い虚空(地面だが)をバックにして、星々の大集団が浮かんでいる。
川っぷちに沿って作られた遊歩道を上流に向かって歩く。川と言っても本流ではなく小
さい支流だから、向こう岸の桜の並木もよく見える。こっち側の岸辺は左手が崖になっ
て、瑞々しいアオキが生え、枝先に花芽なのか葉っぱ芽なのか、芽吹き始めている。
崖から水が湧き出しているらしく、細い流れにってそこらの地面に、目の覚めるような鮮
やかな緑のクレソンが生えている。お婆さんが腰を屈め小さいハサミで摘み取っていた。
今晩の食卓には、ひりひりと爽やかに辛い大量のサラダが供されることだろう。
温かい日ざしのせいなのかどうか、水鳥が川面に出ていた。マガモの雄がきらきらする
ような金属光沢の羽をさらしているし、アオサギが傲然たる態度で水に立ちこんでいる。
別のところには、カワウが二羽仲良く石の上に突っ立って羽を乾かしていた。
もちろん子供たちもいっぱい遊びに出ていて、そこいらの川岸で目にした。男の子も女
の子も、いつでもどこでも、元気いっぱいに跳ねまわっている。きっと本格的な春になっ
たら、わらわらと家から抜け出して、そこらじゅう子供で一杯になるだろう。
”あるきはじめた みいちゃんが・・・おんもへ出たいと 待っている”