2026/01/16

小魚も岸に籠るや寒の水




 池の水もよく澄んでピンと張りつめているように見える。


 叩けばピンカンと緊張した音がしそうだ。晴天が続き雨がほとんど降らないので、水量

が底を突くほど少ない、が、小魚が姿を消したのは、水量のせいではなく、余にも水が冷

たいから、これは一丁冬ごもりをすべえ、と岸の草むらに逃げ込んだためと思われる。


 冬の水はとにかく見ただけで寒い。身を置いている周りの空気が冴え冴えと冷たいか

ら、その水はさぞかし想像を絶するほど冷たいだろう、と脳味噌が勝手に判断するらしい

が、ひょっとすると空気の方が冷たかったりするので、自分の脳みそながらバカだと思う。



 この池には、だれが放流したのか大きな真鯉や緋鯉もいて賑やかだが、冬の水の中で

彼らは極めて不活発だ。機敏に泳ぎ回ったり餌を探したりしない。うっそりと面倒くさそう

にゆらゆらしている。たぶん水が冷たくて、最小限の動きでことを済ませようとしている。


 まあ、でかい鯉はそんなふうにしてこの時期を過ごすらしい。ただ、いっぱい群れていた

小魚の姿をぱったりと目にしなくなった。餌がないので鯉に食われたのかどうか知らない

(鯉は確か肉食じゃないと思う? )が、岸辺に冬ごもりしているのではあるまいか?



 それにしても、そこいら辺の川には小魚がいっぱい住んでいる。子供のころ釣竿や網を

持って、それらを捕まえることに夢中になっていた身からすると、まさに宝モノの川であ

り、それらを放っぽリぱなしなどということは、考えられないし、許せない。


 今でも川の上から川面を眺めて、小魚の群れを目にすると血が騒いで平静を保てない

ほどである。今の子供たちに言いたい、小魚を捕まえてよもやそれを食わなくてもいい、

捕まえること、釣ること自体に、大いなる喜びがあると思うが、それを感じないか? 


 君たちよ、野っぱらは偉大な大学だゾ。




2026/01/15

氷点下蝋梅の黄の温かさ

 



 思い切り寒い季節に蝋梅の花が咲いている。


 我が家の隙間の蝋梅は、ひねくれ育ったためか貧弱でみすぼらしいが、公園などの団

体を形成している場所のそれは、威風堂々、大軍団を形成して、寒中の寒空に負けずに、

黄色の花を目いっぱいに着けて、辺りを圧倒している。その花の色が温かい。


 花に蜜蝋のような光沢があり、花の名前がその色にちなんでいるとすれば、大変に分か

りやすくて、めんどくさいことが嫌いだから、単純でいいなあと思う。これが初夏になると

一丁前に実をつける、ひょっと覗いてみると、梅の実とは似ても似つかない実である。



 「蝋梅」と「梅」名がついているが、梅とは縁もゆかりもない種類らしい。なのに日本では

平気でこういう名をつけるから、単純頭の持ち主にとっては、こんぐらかって始末に負え

ない。「梅」などとわざわざつけないで、「蝋花」で十分じゃないかと思うのだがなあ。


 しかしこの花は生意気なことに(?)、大変いい香りがする。旨く言い表せないけれど、幽

かだけれど鼻の奥の方がすう~っとするような、そんな香がする。これが大軍団となった

っ日にゃ、辺り一面爽やかな香りに包まれることだろうと思う。



 蝋梅にしろ、また寒紅梅にしろ、キッカリと寒い季節に他の花に先がけて咲くのだから、

やはり見る方もなにやら嬉しいような、ほっとするような気分になる。気温の方は、これっ

きり低いけど、もう少し我慢すればもう直に温かい春になる、もう少しだ、という気になる。


 今は寒中でサムイ寒いばかりが気になるが、よく考えてみればあと半月余りで立春、も

ちろん立春だから、さあ、春だ! とはならないだろうけれど、寒のサムさは確実に遠のい

て行く。せっかくの冬なのだから、厳しい寒さも少しばかりは楽しみたい・・・カナ?


 冬は冬を楽しめればいいのだが・・・




2026/01/14

群青を背に寒梅の冴え冴えと

 



 近ごろの空は抜けるように青い。


 その青空の中で寒紅梅が咲いて、空気が澄んでいるせいか、凛とした美しさがある。こ

れからますます寒さが厳しくなるから油断はできないけれど、梅が咲いている光景だけ見

れば、なにやら春が迷い込んできた、と思い込んでしまいそうである。


 しかしこの種類の梅はなにを考えているんだろうか? さぁ冬だ! となったらすぐに咲き

始めるらしい。他の花が全くない時期だから、賞讃は独り占めだが、別の種類は2月、3

月、4月まで、次々と咲いてくれるのに、この寒梅だけがひとり浮き上がっている。



 雪が積もった真っ白な平原に、一本の寒紅梅が凛として咲いている、そんな風景を想像

してみる。そこへひょう~と北風が吹いてきてもいいが、やはり寒さは尋常でない方が好

ましい。その寒紅梅は、寒さに立ち向かっている美しき人であるように思っても構わない。


 まあ、想像力が極めて貧困ゆえ、こんな貧弱なものしか浮かばないが、ならば、かの清

少納言はなんと言っているか、得意の「どたん場検索」を作動させてみた。・・・「木の花

は、濃きも薄きも紅梅・・・ん! たったこれだけ、あんなに饒舌な人がこれっぽっち!



 寒さの中に凛と咲く寒紅梅は、だれでも美しいと思うだろうけれど、「どたん場検索」を

作動させると日本酒ばかりが出てくる。越乃寒梅はチョウ有名だが、寒紅梅という銘柄の

蔵元もあるようだ。自分もどっちかといえばお酒の方に興味が向かいがちだが・・・


 それにしても、花の方の寒梅ないし寒紅梅はあまり人気がないのだろうか。枕草子だっ

てちょびっとしか触れていないし、人気うすだなあ。でもまあ、この花が一年の花の咲きだ

しっぺなんだから、それなりの処遇を考えねばならないだろうと、考える。


 寒梅、花はこれからだ!




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