2026/01/05

休み終え仕事始めや空寒し

 





 あ~あァ、また仕事だなあ、と言う感慨は遠い昔の情。


 なにしろもう退職したのだし、そしてもう何年にもなるのだし、明日からまた仕事だァ、イ

ヤだなあ、という気持ちも遠い昔の出来事だったように思われる。いまは世間のいろいろ

からすっかり解放され、なんの義務もなく、ストレスもなく全面的によろしい。


 これは齢をとってからの最大に「いいこと」のひとつだと思われる。いつまでも元気で働

ける能力があるなら別だが、社会で働くというのはそれなりにストレスを受けることも多

い。このストレスと言うのに、案外と人間は弱くできているようだ。困ったもんである。



 ともかく正月の永い休み明けは、無理々々仕事に復帰しなくてはならないから、ひとし

おイヤだな感が強い。この長い休みに、呑んで食って寝て、また呑んでと言う生活だった

ものが、一夜明けてみれば、それらのよろしきことを全面的に断ち切らねばならない。


 これはもう、そうとうに由々しきことではないだろうか。懶惰の限りに身を任せていたも

のを、全部断ち切ってしまえと言われても、そうそう急には参らぬ、ちょっと待ってくれ、

徐々に、だんだんと、ゆるゆると断ち切る故、ちょっと待ってくれ、と言いたくなるだろう。



 それはともかく、我が仕事始めはどういうことになるのであろうか。家の中の大片づけ、

と言うのがある。正月に離れて住む家族が来て泊まった。ので布団類がいっぱい出たまま

だし、食器類も同様、これを日に干したり、洗ったりしてどこか隅の方へ押し込める。


 しかる後に家じゅうに掃除機をかけ、元の少人数のつましい形に整える。いつものとお

り、布団も食器もごく少ない数で充分だから、そうなっていないとなんだか落ち着かない。

それがとりあえずの「仕事始め」であるので、さあ! いざ敢行せん、仕事始め!




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