2026/01/22

日脚伸ぶ西にあかねの飛行雲

 



 日脚が少しだけ伸びた西の空は、茜色に染まっている。


 冬の空は夕焼けになる。どうしてなのか、その理由は分からないけれど、それが美しいナ

と思って、ベランダで長い時間ぼうお~っと見ている。しかしこの時期はエラク寒い風が

吹いたりするので、西の空をぼうお~っとするのも、これでなかなか容易ではない。


 その茜色に染まった美しい空にす~っと飛行雲が棚引いて、これも一緒に茜色に染まっ

ている。あの雲を作った飛行機には、西洋なのか東南アジアなのか知らないけれど、優雅

な旅行の人がいっぱい乗っているに違いない、といつも羨ましく思う。



 一時期、日本がまだ元気いっぱいだったころ、日本人がどっと雪崩を打って西洋や東南

アジアに出かけたが、その波に乗れず、ただ指をくわえて眺めるだけに終わった。やんぬ

るかな、以来どこへも行けず、狭い日本で狭まっ苦しく生きて来たのは残念である。


 その当時は海外への怒涛のような観光に、西洋人が飽きれ顔になり、東南アジアでは買

春ツアーとかで顰蹙をかい、日本人の悪口が地球を覆ったかのように記憶している。今、

4千万人もの人たちが日本に観光に来るという。世は逆さまとなりにけり、である。



 逆さまになったのは、簡単に言えば日本がビンボーになったからだと、安易に納得してい

るが、外国からの観光客の、声高なはしゃぎよう、どこ構わずの忘若無人さ、これらを(テ

レビなどで)見るにつけ、あの当時の日本人に対する外国人の目つきが理解できる。


 個人的には、観光客などあまり来ない静謐な島国であってほしいけれど、そんなことで

は飯の食い上げだぁ、となるならば止むを得ない、まだ元気だったころの悪の所業を思い

出してじっとそれに耐え、遊びに行くなら名所旧跡を外して、隅っこで我慢する。


 ”これはしたり、世は逆さまとなりにけり、乗りたる人より、馬が丸顔”




2026/01/20

空寒しふくれっ面して寒雀

 



 いやあ、ほんとに久しぶりで散歩に行った。


 片づけるべき懸案の(といっても世間の人から見ればなんと言うこともないへぼ用事だ

が)、ひとつをようやくやっつけ、少し気持ちにゆとりができた。寒いにかこつけて、いっか

な表に出ようとしなかった日々が長く続き、体中が鈍りになまっていた。


 陽ざしがぽかぽかして、寒さはほぼ感じない。空は相変わらず澄み切って、ときおり冷た

い風を吹き下ろす。木々もすっかり葉っぱを落としているけれど、寒気の中で凍えている

ようではない。案外元気で、「ま、大寒じゃからナ、葉を落とすわナ」といっている。



 いつも何も考えないでぼわ~っと歩いているが、今回は春の先駆けを探してみることに

した。これから大寒のど真ん中へ突入という時期、先駆けみたいなものがあるのかどう

か、自然の中の諸君はみな、寒さに縮こまっているや否や、まあ、探してみよう。


 雀の団体が裸枝でふくれていたが、これはまあ先駆けとはならんなあ。馬酔木が茶色い

房のような花芽をほんの少し見せていた。そうか、葉っぱの芽が膨らむ時期なのかもしれ

ないと思って、枝先に注意したら案外に葉っぱの芽が出てきている。



 しかしながら、この芽の木はなんという名なのか、それが皆目わからない。分からなけれ

ばどれもみな「葉っぱの芽」というしかなく、これじゃあまるで説得力がない。こういう時、

わがイイカラカンのアバウトな性格がつくづくイヤになる。花も木も虫も何も知らないだ。


 しかし、明らかに知っている「先駆け」も見つけることができた。土を破ってスイセンの芽

が1cmmほど顔を出しているし、別な場所ではもう花をつけていた。花水木の花芽が膨ら

み始めた。それから、満開となった蝋梅の花、軒先の寒紅梅、堂々たる先駆けだよナ。


 これからイヤになるほど春が来るのだから、急がなくてもいいのに・・・




2026/01/19

大島の波まだ高し寒椿

 


                                (AIさん作成)


 伊豆の大島だってまだ寒い時期だと思う。


 しかし、ここの椿はお構いなく咲くらしい。この画像は大島のツバキを正確に描いている

かどうか、なにしろAIさんの作成だから、まあ大雑把のいい加減だろうと思うが、それで

もイメージとしては、離島の荒海に囲まれた厳しい生活を、慰めるように椿が赤い。


 「どたん場検索」によれば、伊豆諸島は相模湾の沖合に南に向かってほぼ一直線、100

に及ぶ島々が並んでいる。なぜか所属は東京都、一番近い大島まで100㎞、最南端の

婦岩までは650㎞。そのなかで人が住む島は9つ、他は無人島(岩礁も含む)。



 この島々は火山島ないし海面に突き出た外輪山でできているという。なんで海の底から

ぽこぽこと火山が出てくるのか不思議だが、海底ではフィリピン海プレートと太平洋プレ

ートとがどうとかこうとかして、それで無暗に火山が生まれているようだ。


 この島々のおかげで日本の領海は、随分と広くなっていることと思われるが、それはご

先祖様が遥々と海を渡って、八丈島のあたりまで出張った結果なのだろう。なに構わずに

攻撃して、武力を持って自分の領域にしたわけではないのだから、胸を張っていい。



 大島と伊豆半島との距離は30キロメートルしかない、なのになぜこれらの島が東京都

の所属となったか、理由はよく分からないが、邪悪とも思える都心のビルの谷間を思え

ば、島々は別天地の如く自然が豊かで、風光明媚で、長閑な場所だろうと推測する。


 台風被害や火山爆発など、自然災害も多いかもしれないが、美しい景色とのんびりした

風土は、とても貴重なものではないだろうか。列島でそういうものが残っているのは、本

州日本海側と離島しかなく、その他は東京のミニチュアの街ばかりのように思える。


 高齢化でエラク時間が間延びしてしまい、「のんびり」は貴重だよナア。




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