入道雲は夏のだいご味だ。
成層圏をぶち破るような堂々たる入道雲を見たいと思う。が、いつでも見れそうでなかな
か出会わない。たぶん山の向こうの広い野っぱらか、海路遥かな波の上でなければ、そうお
いそれとは見られないのではないか。またそういう場所こそ入道雲が似つかわしい。
夏はどうしても巨大な入道雲がいい。朝のうちからもくもくと湧き上がって、どんどん高
くなる。どこまで高くなるのか、と危ぶむほどに高くなって、山のうんと上からこっちを見お
ろし、どうだ参ったか、という。そういう雲をいつまでも見ていたい。
しかし入道雲は遠く遥かに眺めやるのがいいようだ。これの近くに居たらたまらない、む
くむくの大塊が形を崩し、全天を覆い尽くして辺りは夕方のように真っ暗となる。いやらし
い風が吹き下ろして、田の面を渡り、すかさず、ドッシャアア~~と雨が落ちてくる。
風と雨で傘など役に立たず、びしょ濡れを覚悟しなければならない。下手すれば雷様がド
ンガラガッタと騒ぎ立て、ビガーっと世界を崩すように光って、腹ワタがひっくり返るよう
な大音響が響き渡る。野外にぼう~~っと佇んでなどいれば大変怖い。
入道雲はともかく、台風が近づいている。今、台風を待ち焦がれている。ただし来るなら
来るで条件がある。大風は要らない、雨だけでいい、その雨も本州をみっしりと潤すほど降
ってくれなければ困る。近づいている台風はそういう具合に調整してきてくれ。
と、願うのだが、どうも関東付近をちょっとかすめて、足早に北太平洋に向かうらしい。
これを何とか進路変更をお願いできないかと思う。トランプにこっそり関税の値引きをお願
いしたように、台風お代官にこっそり進路変更をお願いに行ってほしい。頼むよ石破さん。
入道雲が南に去っていくとなんだか寂しい。
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