2025/08/02

遊ぶ子の居なくも鄙に赤まんま



 

 草深い田舎道には寥々として人影がない。


 いったいどこへ行っちまったんだろう、と思うほどまず人がいない。家の中にひっそり籠

っているのだろうか、それとも野良に出かけたのだろうか。それにしても野良でも人を見かけ

なかった。里の家々は森閑と静まって、夏草が風に揺れているだけだ。


 そういうところに犬蓼が赤い穂を出して、わずかに華やぎを醸し出している。この赤い実

を、子供たちが「赤まんま」に見立てて「ままごと」をする、というのだけれど、子供なん

てどこを探しても見つからない。家族もろとも突然消えてしまったのだろうか。




 田舎から人が消えるのは無理もないなあと思う。おおむね暮らしが不便だし、ともすると

医者さえいない。若い人は「オラ、こんなとこイヤだあ」と言って都会に出ていってしま

う。若い人がいないから、若い嫁さんもいない。結果、子供たちもいない。


 そうして年寄りだけが残り、やがて限界集落になって集落そのものが無くなってしまう。

これもまた止む得えなければ仕方がないこと、だれだって便利に快適に暮らしたい。そうし

て、昭和の田舎暮らしは令和の街暮らしへと変わっていくのだろう。




 ところが近頃、「田舎暮らし」「古民家再生」などと言って、都会から山奥へ移り住む人が

結構いるらしく思われる。どちらかというと若い人に多いらしい。これは年寄りから見ると

到底信じがたいことである。なんでわざわざ便利な都会から不便な田舎に行くのか!?


 これは一種のプチブームなんだろうか、それとも「まっとうに生きる」ことを真剣に考え

たら、やっぱり田舎だよナ、となった結果なのだろうか。どうもどちらなのかよく分からな

い。もし後者ならば、日本人の価値観が大きく変わる、その潮目なのかもしれない。


 田舎でときおり遊ぶ、が年寄にはいいなあ。




2 件のコメント:

  1. 匿名8/02/2025

    このイヌタデは大きくて赤くて花も咲いていていいですね!
    今のところ、うちの庭のイヌタデは、一本だけ花が咲きましたが、小さくて白っ茶けてました。
    ままごと、してました。遠い遠い遠い~~~昔。(笑)

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    1. 多摩たま8/07/2025

      さすがに男の子だったので「ままごと」はしませんでしたが、
      こういう花は無意識に毟り取りたくなります。
      草や花が格好の遊び相手でした。

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