2025/10/14

池の端の万葉歌碑に木の実落ち

 



 「多摩のよこやま」の道を「歩くかい」の人たちとハイキングしてきた。


 この道は多摩ニュータウンの背後を東西に貫く尾根道で、川崎市と町田市とに接して約

10㎞に及ぶ遊歩道。古代より東国と西国とを結ぶ交通路が、この尾根道を乗り越えて遥

かに繋がっていたという。古代東海道、奥州廃道、鎌倉街道などの痕跡が残っている。


 その道の東側半分ほどを、まあ、そんな歴史をわずかに感じながら、初秋の爽やかな空

のもと、老人隊が元気で歩くハイキングのようなもの、なんと言っても標高わずかに

150mほどの極ごく低い尾根道だから、老老男女にとっても別にドってことはない。



 と言っても、まずは尾根道まで登らねばならない。集合の駅前から街中を抜けすぐに登

りとなる。なんとか登って、そこは「展望広場」、眼下の樹木の先にニュータウンの高いビル

が覗いている。ほとんどの樹木の葉っぱはまだ緑だけれど、わずかに色が変わっている。


 砂利の尾根道を歩く。靴の下でどんぐりがパキパキと砕ける音がする。初秋の柔らかな

陽ざしが背中に心地よい。尾根の脇の窪地は「桜の広場」、エドヒガンの大木がある。桜

の葉は他に先がけて茂り、散ってゆく。はらはらと風もないのに舞い落ちてくる。


 緩やかな上り下りを繰り返し、「防人見返りの峠」と名付けられた展望所に着く。ニュー

タウンの住宅が広々と目の下に広がっている。樹木の陰に戸建住宅、低層団地、高層の

ビルが見えている。そのはるか先は、秩父の山々だろうか、雲に霞んでいる。



 そこから「分倍河原合戦の野営地」なる林の道を抜け、「古道五差路」という古街道の集

中地を通り、現鎌倉街道が通る長いながい谷を打ち眺めて、ようやく一本杉公園へ到着

した。ここでお昼の大休憩、古民家の縁側に並んで、本日の最大の楽しみを味わう。


 古民家の下に小さな池があり、カモが数羽遊んでいる。池の端にごつごつした自然石の

万葉歌碑、「赤駒を野山に放(はが)し捕りかにて 多摩の横山徒歩(かし)ゆか遣らむ」と

刻んである。防人の妻のうただという。してみると、防人もこの道を歩いたらしい。


 この後はニュータウンの街を通って多摩センター駅へと向かう。その歩く道は車のいな

い遊歩道となって、大変ありがたい。中央公園の旧家の屋敷に立ち寄り、小さな展示会場

を見、最後は「都立埋蔵文化財センター」の見学に終わった。


 多摩ニュータウンの開発で千点もの縄文遺跡が発掘されたという。




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