散ったばかりのイチョウはまだ瑞々しい。
きらきらと陽を照り返して、その美しさにだれでもどうしても一二枚拾ってみたくなる。散
ってもイチョウはエライ! まして木に着いて黄金に染まったのが、わずかの風にそよいで
青空をバックに煌めくさまは例えようもない。ことに神宮外苑が見事だ。
しかし、東京はイチョウがことに多いように思う。東京大学の構内はたまたま立ち寄った
のだったが、その黄金色に囲まれた素晴らしい景観に驚いた記憶が残っている。外にも
見事な銀杏並木など数あることだろうと思うが、身近では甲州街道八王子の並木道、昭
和記念公園のイチョウのトンネルなどを思い浮かべることができる。
お寺やお宮の境内には、ときとして堂々たるイチョウの古木が聳え立っていることがあ
る。さすがに前に立てば、その威風堂々たる姿に圧倒され恐れ入ることが多い。まだ葉っ
ぱが青い時分には、その大きな腕で涼し気な影を作って休ませてくれる。
ひとたびこれが色づくやいなや、真っ青の空に砂金をちりばめたように黄色い葉っぱが
煌めき、ときあって、はらはらと散り敷けば、辺り一面黄金絨毯と変わって、そのあんまり
にも無辺際な散敷ように、これまた圧倒され恐れ入ってしまう。
しかしイチョウはなかなか複雑な木であるらしい。オスとメスが分かれているという。実
をむすぶのもなにやら複雑な工程を経ているらしいし、裸子植物だともいうし、安い頭で
は何がどうしたのかよく分からない。それでもって化石と言われるほどに古くからの生き
残りでもあるらしい。
しかしそんな面倒くさいことは分からないでも、イチョウは見た目が断然いいい。境内の
一人孤高の姿もいいし、数を頼んで並木の圧倒的な量感もまたいい。春の新緑の柔らか
な葉っぱもいいし、秋の夕日の丘に金色が散るのは当然いい。
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