今日はスキーどころではない大荒れの天気かもしれない。
けれどスキーといえば白馬の八方尾根を思い出す。蔵王やら志賀高原やら苗場やらそ
してニセコやら、随分いろんな地方のスキー場に行き、辿り着いたのが八方尾根。なにし
ろコースが恐ろしくい長いし、眺めは好いし、雪質も申し分ない。たちまち虜になった。
以来シーズンになると八方尾根を思い出して、のこのこ出かける按配となった。今では
考えられないかもしれないが、そのころはまだ民宿がいっぱいあって、といってもまるっき
りの農家ではなく、民宿という名の簡易的、安上がりの宿があって、これがよかった。
最初のころには、上越の石打あたりの民宿にも止まったことがある。これはもう完璧な農
家で朝になると囲炉裏の周りに宿泊者が集まって、煙にいぶされながら宿の家の人と一
緒に、同じ朝飯を食っていた。今では考えられないことであるが、昔の民宿はそうだった。
これはこれである種懐かしく思い出されるが、なにしろ囲炉裏は煙たいし、宿の主人な
どは慣れない客応対で、お愛想を作るのがとても大変そうだった。それから折からのスキ
ーブームに乗って民宿は新築されて、運営がおかみさんの手に移って安定してきた。
このころの民宿は家はきれいだし、部屋も明るく清潔で、食事も驚くほど改善され、ま
あ、宿屋に泊まるのと遜色がなかった。スキーを終えて部屋の炬燵に入りながら、氷の着
いた野沢菜を皿に盛ってもらって、呑んだ燗酒が死ぬほど旨いと思ったりした。
現在のスキー場がどんな按配なのかよく知らないが、宿泊はホテルに変わってしまっ
て、民宿のように地元の人との交流はもうないのだろう。しかしながらスキー場そのもの
はおいそれと変わらないだろうから、八方尾根の雄大な眺めはそのままだろう。
スキーは恐ろしく寒いが、とても楽しいものだ。
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