2025/08/06

渓谷の瀬音も高く夏木立

 




 超弩級の暑い日があまりにも続くので奥多摩に逃げた。


 奥多摩は標高が500mほど、かつまた緑の山に囲まれているから涼しい。奥多摩駅からバス

で小河内ダム(奥多摩湖)までいったん登り、そこから現・青梅街道を少し戻ってから昔の

青梅街道を歩き、また奥多摩駅に戻ることにする。


 小河内ダムは、無残とも思えるほど水位が下がり岸辺が露出していた。このまま雨が降ら

なかったら、ドエライことになりそうな気がする。しかしダム湖は青い水をたたえ、周りの

山々の緑はとても美しい。こういう景色を見るだけでも、涼しさが感じられた。




 昔の青梅街道は道幅3mぐらいだから、車はほぼゼロ、のんびりゆったり歩ける。左手は切

り立った山の壁だが、右手には多摩川の流れが寄り添っている(逆だ、道が川に寄り添って

つくられた)。瀬音が絶えず耳に届き、これもまた涼し気に感じる。


 道沿いに僅かな民家があるが、あるものは無住となって朽ちこぼたれ、あるものは空家と

なっていたが、むろんまだ現役の人が住んで居る家もある。人が住んでいれば傍の空き地に

花がある。花があれば、歩き疲れた体とこころに沁みてくる。




 小河内ダム建設のために使われた「資材運搬鉄道」の残骸も、随所で目にした。朽ち果て

ようとしてまだ頑張っている鉄橋の残骸、赤錆びて草に埋もれたレール、暗い口を開けたま

まのトンネルなどなど、なんとかこれの使い道はないだろうか。


 奥多摩駅近くまで戻ってきたら、日原川で大勢の人が水遊びをしていた。水が恐ろしく澄

んでいるから冷たそうに見えるが、むろんこの暑さだからそんなことはないだろう。川の流れ

にどっぷりつかったり、岸辺でバーベキューをしたり、とても楽しそうだ。


 歩行距離約10㎞、楽しかった涼しかった。



短い動画 (BGM、キャプション)

www.youtube.com

 


 


2025/08/02

遊ぶ子の居なくも鄙に赤まんま



 

 草深い田舎道には寥々として人影がない。


 いったいどこへ行っちまったんだろう、と思うほどまず人がいない。家の中にひっそり籠

っているのだろうか、それとも野良に出かけたのだろうか。それにしても野良でも人を見かけ

なかった。里の家々は森閑と静まって、夏草が風に揺れているだけだ。


 そういうところに犬蓼が赤い穂を出して、わずかに華やぎを醸し出している。この赤い実

を、子供たちが「赤まんま」に見立てて「ままごと」をする、というのだけれど、子供なん

てどこを探しても見つからない。家族もろとも突然消えてしまったのだろうか。




 田舎から人が消えるのは無理もないなあと思う。おおむね暮らしが不便だし、ともすると

医者さえいない。若い人は「オラ、こんなとこイヤだあ」と言って都会に出ていってしま

う。若い人がいないから、若い嫁さんもいない。結果、子供たちもいない。


 そうして年寄りだけが残り、やがて限界集落になって集落そのものが無くなってしまう。

これもまた止む得えなければ仕方がないこと、だれだって便利に快適に暮らしたい。そうし

て、昭和の田舎暮らしは令和の街暮らしへと変わっていくのだろう。




 ところが近頃、「田舎暮らし」「古民家再生」などと言って、都会から山奥へ移り住む人が

結構いるらしく思われる。どちらかというと若い人に多いらしい。これは年寄りから見ると

到底信じがたいことである。なんでわざわざ便利な都会から不便な田舎に行くのか!?


 これは一種のプチブームなんだろうか、それとも「まっとうに生きる」ことを真剣に考え

たら、やっぱり田舎だよナ、となった結果なのだろうか。どうもどちらなのかよく分からな

い。もし後者ならば、日本人の価値観が大きく変わる、その潮目なのかもしれない。


 田舎でときおり遊ぶ、が年寄にはいいなあ。




2025/08/01

酷暑の陽ついに八月に至る日々

                  



 ついに八月になってしまった!!


 この2か月の間、暑い暑いしか口にしなかったような気がする。それほど狂ったようにア

チチの日が、これでもか! と続いた。6月下旬からだから、もう1か月半も毎日々々30℃

以上の日々だった。こんなべらぼうなことがあっていいものか。あったんだなあ、これが!


 それでもここ数日、日中は変わらず鬼のように暑いけれど、朝晩の風が、そこはかとなく

涼しく感じられた(ような気がする)。まさか? と思ったけれど、ひょっとすると秋が知ら

顔を装って、忍び足でこっそりと近づきつつあるのかもしれないが、とても信用できない。




 短くはない経験によれば、8月は一番暑い月だ。6月から7月中旬まではれっきとした梅雨、

れから梅雨が明けて本式の由緒正しい夏となる。速やかに地球が温められて、それでもっ

て8月上旬が一番熱くなる。それからお盆で、過ぎれば秋風が吹いた。


 これが由緒正しい日本の夏だったのだが、近頃大いに狂ってきた。今年と来た日にゃあ、6

月上旬にちらっと梅雨になって、その後即、真夏が始まった。もう容赦なく30℃越えの日々

である。もう気温は上がる一方、とめどなくドカドカ上って、40℃に近い日が続いた。



 こんなことがあっていいのか!? と怒り心頭に達する日々だったが、そんなことは知っ

たことではない、とばかりに地獄の暑さが続いた。が、さてこの後どうなるのか? 知った

こっちゃない、日々が9月まで続くとなれば、もう我慢できない。


 すでに野菜の被害が報道されている。魚だって獲れないだろう。諸物価どしどし値上がり

を待っている。年金は一滴も上がらない。我ら庶民は食い物に事欠き、暑さに押しつぶさ

れ、未来に希望なく、ひたすら物陰に隠れて日々を打っちゃるしか手がないではないか。


 屋根の下で溶けたように過ごそう。




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