暖かい室内では君子蘭が早く咲く。
幅広の葉っぱは、ふてぶてしいが花は意外に繊細な形をしている。小型の百合のような
形で、外側が目の覚めるように鮮やかな橙色、中の方が少し黄色がかっている。中から突
き出した蕊がはっきりしていて、それが繊細さを感じさせるようだ。
ところがこの植物は、意外や丈夫一点張りらしい。手入れを怠り放っぽらかしにしてもな
かなかダメにはならない。そのうえ、やたらと増える。茎の脇から芽が出て、あれよ! と
いう間に大きくなってしまい、そうして何ごともなかったように花を咲かせる。
たった一株がどしどし増えて、狭い室内に収まらなくなってきた。捨ててしまうのも忍び
ないから土の上に出してみた。冬の間は、寒冷紗で覆い根元をわらなどで保温する。よほ
どの朝の低温か又は大雪でも降らなければ、元気に越冬し彼岸のころ花を咲かせる。
そんなことを数年続けてみたが、それも面倒になってきて土に植えたものはすべて処分
することとした。なにしろいつも元気いっぱいだし、やたら増えるし、面倒など見なくてもド
カドカ育つから、ついつい手抜きもし、面倒くさくもなって処分してしまった。
それでも未練がましく一鉢、二鉢を残して、冬近くなると室内に取り込み、温かくなると
表にブン出している。この方式だと手間いらずの簡単で、毎年春と冬に表に出したり部屋
に入れたりするだけで済む。なにもかもが面倒くさく感じるお年頃、ちょうどいい。
そうしたらどういうわけか、決まった時期に決まったように花が咲かなくなった。どうも、
あまりにも粗雑に扱ったから、ぷんすか怒っているらしい。であっても、扱いを丁寧にする
気はもうない。よもや花が咲かなければ、そんなものかと言って澄ましていることにした。
それにしても君子蘭だなんて、偉そうな名前だなあ!
0 件のコメント:
コメントを投稿