(AIによる)
まだ雪が残る冷たい沢の岸辺に猫柳は咲く。
咲くのかそれとも蕾が膨らむのか、指のような塊にふわふわした毛のようなものがつい
ている。これを見かけると春の先駆けだと自覚するが、なんと言ってもまだ冬の最中、うろ
うろと川岸など歩いていられるものじゃない。そそくさとどこか家の中に逃げ込む。
種類が違うのか、それとも季節が移ってそうなるのか、この白い毛のような間からひゅっ
ひゅっと細い軸が伸びて、そして赤い芥子粒のようなものが先端に着く。この赤い芥子粒
がもしかして花なんだろうか? どうも一般的な花とはまるで違うようだ。
このような猫柳の姿はガキの時分からよく目にしたが、この後この指のような物体がど
のようになるのか知らない。子供時分は他にも草や木がいっぱいで、猫柳だけにかかず
らわっている余裕などなく、この猫の尻尾状態のまま、すっかり忘れてしまっている。
この点を深く追求する子供だったら、ひょっとして植物学者などになっていたかもしれな
いが、飽きっぽくて忘れっぽい性格は、単なる凡人をひとり生み出しただけに終わってし
まった。なんとも残念という気がするが、そうそう学者ばかりになっても困るだろう。
草や木や虫の、名前も性質もなあ~~んにも知らないまま、ただ体だけ大きくなってし
まったが、しかし草深い田舎でいろんな自然に、皮膚感覚で接することができたのはよか
ったような気がする。今になってみるとそんな思い出ばかりが、ふわふわと浮かんでくる。
その思い出には、なんだか知らんがほんわかした優しい感情が着いている。だから想い
出すと、とても気分がいい。青年期や成人期のように、面白くもなく、面白くもなくもない
七面倒くさいお思い出には、そんな感情は微塵もないからガキの頃の思い出がいい。
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