早春の山上湖はいかにも寒々しい。
よく見ると、どの山も荒々しく鉞で削ったような山肌が露出している。これはうず高く積
もった雪が、気温が緩んで一気に雪崩れる際に山肌を削ってしまうのだそうだ。どの山も
ほぼ垂直に削り取られて、痛々しくそして荒々しい姿をさらしている。
佇んで見ていると、山肌の筋のような残雪が一層寒々しい。気温が低いのは勿論だけ
れど、鈍色の冷たそうな水と、削り取られた山肌と、そして遠くの山の残雪が、惻々とした
寂しさを湧き上がらせる。湖の果てはもう越後の山である。
冬の天気予報を見ていると、新潟は連日連夜、雪マークがずらりずらりと並んでいる。
こんなに降ってどうするんだというほどだが、日本海に面した平野のあたりはあまり積も
らず、内陸部の六日町、十日町あたりがものすごいのだそうだ。
たぶんそ、ういうもの凄い積雪地の山は、やっぱり雪崩に削られてしまうのだろうかと思
うが、新潟県の全部の山がこんな風になるわけではないようだ。新潟は雪も凄いが、梅雨
時の雨もまた、連日連夜だというイメージがある。まあ、水が豊かだということだろうか。
新潟は大好きなところだ。「清」の笹飴じゃないけれど、笹団子が大好物だし、なにやら
海藻を練り込んだ蕎麦も旨い。あまり呑めないが越乃寒梅はじめ、旨い地酒がそろって
いるようだし、酒が旨ければ、その肴としての料理も天下一品に違いない。
何度も彼の地を訪れたわけじゃないけれど、暮らしている人々がなんとなく落ち着いて
いて、どこかゆったりしているように感じる。特に新潟は、三面川に鮭が上ったり、国上山
で良寛が蹴鞠を突いたりのイメージがあり、のどかな風景を思い描くのかもしれない。
また行きたいなあ。
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