人が旅に出るは虫穴をいずるが如し、なんて言葉はない。
でも何となく、両方とも春になるとソワソワしてくるのは共通しているらしい。人生の旅立
ちというのも、おおむね春に多いことと思うが、そういう大ごとでなく、まあ温かくなったか
らちょっくらその辺まで旅行へ行ってくっか、と言って出かける旅立ちのことである。
今頃の季節に旅行すると、まだ雪がみっしりと残って冬真っ盛り! というところもあれ
ば、いやいやもう春でんねん、なんぼでも花を咲かせまっせ! というところもあって、特に
日本海側から太平洋側に抜けるようなコースだったら、日本は広い! と実感する。
名所旧跡、風光明媚なところもいいかもしれないけれど、どうも直ぐに見厭きてしまう、
という傾向がある。どんなに美しい景色でも、10分も佇んでいれば十分な気がするし、い
かに有難いお寺や神社でも、ひととおり巡っていしまえば、もういいやとなってしまう。
それよりも、歴史の痕跡が残っていたり、人々の生活が垣間見られる場所を、ゆるゆる
と、ぶらぶらと歩き回るのが、自分には好ましい。あまり有名ではないけれど、昔の宿場街
が残っているところのその建物や、伝統的保存建物などでいまだ生活している様子など
を、時間をかけてゆっくり見歩くことができれば、言うことなしだと思う。
旅行先は、気を遣わずにのんびり旅行できれば、それこそどこでもいいのだけれども、
なんでか今までは、日本海側の印象が強く残っている。どうも太平洋側は、街はビルと工
場ばかりで、騒々しくなんだかガチャガチャとしている、というイメージが強い。
それに比べ、日本海側は人口も少ないだろうし、街よりも山や里が圧倒的に周りの視界
を占めているように思われ、静かだし、落ち着いているし、風景が自己主張しないし、なん
だか人も皆どっしりと腰を落ち着けて生活しているように見える。そういう全体の感じが
(あくまでも感じだけれど)、自分には好ましいのだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿