津軽の外ヶ浜に「雁風呂」という伝承がある。
雁は遥かに大海原を渡って日本に来るとき、小枝を咥えて羽休めにする。外ヶ浜にその
小枝を置いて日本各地に散らばってゆくが、春先に北へ帰る際、命を亡くした雁の小枝
は残り、それを集めて風呂を焚いて供養したという物語が伝えられてきた。
雁の薄い命を思う哀しい伝承というべきか、小枝で風呂を焚いてその魂を供養する村
人の優しい気持ちを伝えたものというべきか、どちらにしても日本人の心情によく響く物
語りだろうと思う。日本人は元来とてもやさしい性格の民族なのかもしれない。
しかしながら然りながら、よくよく考えてみれば、この伝承には少しおかしなところがあ
る。第一、なぜ外ヶ浜なのか。雁が渡ってくる地方は日本全国いろいろあると思う。日本
海側であればどこの浜だって渡って来るだろうと思う。
第二に、水鳥である雁が、羽休めのために小枝なぞ必要とするのか⁉ 疲れたら波間に
ぷかりぷかり浮かんで休めばいいのではないか。それに雁が口にくわえて運べるような
軽い小枝で、羽休めとして立派に機能するのだろうか。眉に唾を着けたい。
同じようなことを考えたかどうか、Wikipediaさんはこう言っている。「雁風呂」として
木片を落とす場所は、函館の一つ松付近という説と津軽の海岸という説が見受けられる。該当する地方に雁風呂の風習がいつ頃からあったのか、そもそもそういった風習が存在したのかという疑問の声もある[2]。2012年、青森県立図書館の調査により、上記の伝説は1974年のテレビCMで広まったものであり、青森県内で伝承されたものではないと判明した[1]。また、伝説の基となった物語は四時堂其諺『滑稽雑談』(1713年(正徳3年)成立)巻16に収められているが、日本ではなく他国の島での話として収められた物語と判明した[1]。
「上記伝説は1974年のテレビCMで広まった」とあるが、これで思い出すことがある。た
しかこの当時だったと思うのだが。「一杯の掛け蕎麦」という話(貧乏な母娘に掛け蕎麦を
食べさせる蕎麦屋の話)が燎原の火の如く世間に広まった。なんだか話が似ているナア。
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