八尾の「風の盆」をテレビで見たことがある。
薄暗い街の中心にぼんぼりが灯り、三味線と太鼓と、そして胡弓が哀調に満ちた調べを奏
でる。男衆の踊りは要所要所をぴたりと決めて、いかにも男性的。対する女衆の踊りはあく
までもしなやかに、あでやかに、白っぽい着物がふわふわと流れるように踊る。
男女ともに編み笠を眼深に被って、顔は見えないけれど、それだけに返って女性のしなや
かさ、あでやかさが浮き立ってくる。街の上空に村雲がかかって、ときおり月の光が漏れてく
る。奏でるお囃子の、特に胡弓の哀し気な調が、空へと立ち上ってゆく。
全国的に有名な盆踊りは、秋田「西馬音内盆踊り」、岐阜「郡上おどり」、徳島「阿波踊り」
なのだそうだ。いやいや、阿波踊りが盆踊りとはツユ知らず、余にも華やかで賑やかで大規
模なので、よもや盆踊りとは思わなかった。「哀調を帯びた」はないしなあ。
阿波踊りは新宿の神楽坂で昔見た覚えがある。たしか神楽坂のお祭りの中で阿波踊りが行
われたか、と思う。坂の向こうから大勢の男女が踊りながらこちらにやって来る。その時、
編み笠で半分顔が隠れた女性が、なんとまあ美しく見えたことだろうか。
盆踊りは日本全国どこでも行われるし、相当古くからの伝統行事であるようだ。しかも
「日本人なら盆踊りだ」とばかり、新興の団地などでも大いに踊られる。どうも日本人の血
に沁みついた慣習であるようなので、ネットにその起源を訊ねてみた。
AIさんのまとめによれば、始まりは平安時代、空也の「念仏踊り」と仏教行事「盂蘭盆会」
が結びついたものらしい。鎌倉、室町時代になると、娯楽的要素が強まり、江戸時代には庶
民の娯楽として定着した、とのこと。まあ、先祖供養のひとつの形だろうか。
お盆過ぎれば秋が来るかな?
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