2025/09/06

さすがにも葛の繁茂の止まりけり

 



 葛はうんと威張っている。


 向かうところ敵なし、そこら中が我が天下、どこでも伸びてかって放題、ぐずぐず言う奴あ巻取っ

締殺してしまう。なにしろ夏中ドカドカと延び放題に延びて、人が歩く道でさえひょっとすると覆い

して知らん顔、その増殖繁茂ぶりはどこまでも止まることがない。


 このイケ図々しい繁茂は周りの植物に対する思いやりが一切なく、「ちょっと遠慮するかなア」とい

う自覚に欠けている。たまたま葛の近くに芽生えた草は大迷惑をこうむる。たちまちのうちに絡みつか

れ、押し倒され、上に大きな葉を広げられて日光さえ遮られてしまう。



 かような案配で、葛は「植物のクズ」と言われて嫌われている。植物がみんな、どうしようもない、と

諦め、出来るならそばに寄りたくないと匙を投げている。しかあ~し世の中は広いものである。この

葛の上前を平然とハネるやつが存在する。それは、だれあろう人間である。


 春先に葛が若葉を出し始めると、そそくさと行って若葉を毟り取って天ぷらにする。夏に葛の茎が

遠慮なく伸びたところで、刈り取って綱や繊維にする。花が咲けば、これも毟り取って来てお茶にす

る。そればかりか、根っこまで掘り起こして、葛粉にしたり餅にしたりする。



 人間は葛の全身を隈なく搾取してはばからない。葛の方も「いやあ、オレもいけ図々しさでは引け

をとらないと思っていたが、負けた、人間には負けたよ」と嘆いているという。それはもっともだ、人間

はこの地球上で一番傍若無人で図々しい生き物、なんの葛如きにしてやられるはずがない。


 しかしそれも今は昔、葛の若芽を天ぷらにする人も、花をお茶にする人も、ましてや根っこを掘り起

こして葛粉を取り出す、なんてべらぼうなことをする人も、もういないだろう。かくのごとくにして、葛

の天下が再び巡り来たようなわけで、いま葛は土手っぱらで好き放題のかって放題を続けている。


 葛根湯だけは年に数回お世話になってます。




2025/09/05

来しかたを悔いる夜にはみみず鳴く



 

 「来しかた」など迂闊に思い出してはいけない。


 そんなものを思い出して悔んでも、もうどうにもならんし、一文にもならん。ただ気分が落ち込むだ

けであって、なんの役にも立たない、だから、ひょいっと頭に浮かんだその思いは、早々に頭を振って

どこかに放っちゃり投げるに限る。そして固く封印して、もう頭に浮かばないようにする。


 ではあるけれどさりながら、年寄りには「来しかた」しかないから、どうしても頭に浮かぶ思いは「来

しかた」になってしまう。未来というものがほぼないのだから仕方がない。そうなると、ミミズだって鳴

くかもしれないし、カメだって鳴くかもしれない。実に困ったもんだ。



 これを防ぐテはないもだろうかと愚考する。来しかたがダメだから、「行く末」を考えるてみてはどう

か? ただし遠い「行く末」というのは無いのだから、ほんの間ぢかの行く末、まあ、一か月ないし三

月ぐらいの近未来を考える。それならもしかすれば有るかもしれないではないか。


 その短い未来に対して、何をするか考える。このとき、将来の自分の在り方、などというものを考え

てはいけない、そんなものは無いのだから、まあ遊ぶことを考える。なにをして遊ぼうか、どういうふ

うに遊ぼうか、これだけをゆるゆると考えて、「来しかた」の思いを頭から排除する、これがいい。



 さて、向こう3か月間ほどの期間に何をして遊ぶか、これが問題だ。年寄りに未来はないかもしれな

いが、体力、というのもほとんど残っていない。遊ぶにはなにしろある程度体力必要だ。なのに、その

残存がほとんどない。となれば、登山、冒険、流離、海外(金もない)、などは出来なくなっている。


 残された可能性を吟味してみれば、ほとんど何もないということになる。大いに困るではないか。そ

の隙間に何かないか? 思い浮かぶのはせいぜい野っぱら歩きぐらいのものだが、一つだけやって

てみたいことがある。SUP、これなら体力、金、なんとかなりそうな気がする。無理だろうか⁉


 ミミズなんかに鳴かれたり笑われたりは御免だ。




2025/09/04

台風の雨さえ頼る照り続き

 



 いやはや、こんなにも涼しく感じるとはなあ。


 前線が通過して北太平洋に抜け、あまつさえ台風が近づいて雨模様、空気がひやひやと冷えてき

たらしい。しかし気温は28.6℃、夏日であることに変わりないのだが、体感とすれば一気に涼しいな

あ、とじられる。たった4,5℃の違いだけれど、この違いのなんと大きいことか。


 ヒトの感覚というものはこういうものなのだろうか、それとも今年の殺人的な暑さに、いささか体が

順応したためなのだろうか。こうなれば、近づいている台風にうんとこさ雨を降らしてもらって、日照

りの日本列島を一気に涼しくしてくれることを大いに期待したい。台風よ、頼むぜ。



 いままで、降るか降るかと期待させられ、その都度見事に外されて、雨らしいものが落ちてこなかっ

たので、今度の台風に期待する。しかし、風は要らん、雨だけで結構、それも洪水になるほど降っては

いかん、あくまでも適当な量を適当なだけ降らせて、そしてどこかへ去ってくれ。


 いつもいつも、自然災害はトンデモ災厄を持ってくるのだから、今回くらいはこっちの言うことを素

直に聞いてくれてもいいだろう。いつもこっちは、たいがいのことを我慢しているのだから、たまには

こっちの言うことに耳を貸してくれてもいい筈だ。お互い、安生やろうや。



 しかし我が日本ほど自然災害が、大手を振って歩いている国はないのじゃなないか。まずは地震、

列島のどこかでいつもいつも地面が揺れている。勢い余って大地震がこれでもか、これでもかという

ほど襲い掛かって、甚大な、手の施しようもないほどの災害を置き土産にしている。


 そして今では梅雨、以前は比較的穏やかにそろりそろりと来ていたのが、オンダンカのせいなのか

どうか、どばしゃあ~っと降って、どこかしらが洪水になって泥だらけになる。更に追い打ちをかけて、

台風、またしても大雨を降らせ、場合によって大風を吹かせ、とんでもない仕打ちをする。


 この災害列島によくぞ我慢して住んでいるナア、我ながら。




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